「並び替えの問題で、I not am happy. と書いてしまう」

「穴埋めで、She の後ろに are not を選んでしまう」

間違いだとはすぐ分かるのに、「なんで not はそこじゃないの?」と聞かれると言葉に詰まる——それが普通です。大人は "I am not happy." を、ルールを思い出しながら組み立てているわけではないからです。

この記事では、このつまずきを3つに分解して、お子さまがどこで止まっているのかを見えるようにします。あわせて、「なぜ not はそこなのか」も大人向けに短く説明します。文法を勉強し直す必要はありません。

子どもが止まっているのは、だいたいこの3つ

「否定文ができない」はひとかたまりのつまずきではなく、いくつかの段階に分かれています。私が実際に授業で見たのは、次の3つです。それぞれ、授業で使っている補助プリントの抜粋と一緒に見てください。

① 主語に合わせて am・is・are を選ぶところで止まっている

実は、否定文以前のつまずきです。She ( is not / are not ) happy. のような問題で間違えるのは、not ではなく、is / are の選び方の段階で止まっていることが多いです。私が担当した生徒も、穴埋め問題のここで間違えていました。

I なら am、he・she なら is、you・they なら are。ここは理屈というより対応の暗記に近く、覚えるまでは表を見ながらで構いません。

補助プリントの抜粋。主語→be動詞→否定の形の対応表。I は am/am not、he・she・Ken は is/is not、you・we・they は are/are not
補助プリント「am / is / are の否定文」より。実際にここで間違える生徒がいたので、プリントの最初にこの対応表を置きました

② not をどこに置くかが、決められない

並び替え問題で「I not am happy.」と書いてしまう段階です。候補の単語が全部目の前に並んでいるので、それらしい場所に置いてしまいます。

考えてみると、日本語は「です」が「ではありません」に変わる言語で、「not という一語をどこに挿し込むか」という感覚そのものが、日本語にはありません。だから、感覚では決められなくて当然の場所です。なぜあの位置なのかは、次の章で説明します。

補助プリントの抜粋。まちがっているところを直しましょう、の問題。I not am happy. を I __ __ happy. に直す
補助プリント「am / is / are の否定文」より。実際の誤答(I not am happy.)を、そのまま間違い直しの問題にしています

③ 「be動詞」という説明のことばが、届いていない

学校では「be動詞の後ろに not」と習います。ルール自体は正しいのですが、be動詞=am・is・are がまだ結びついていない子には、ルールの覚えようがありません。

「am と is と are の後ろ」と言い換えるだけで、届くことがあります。

補助プリントの抜粋。ヒント欄。I → am not、he・she・Ken → is not、you・they → are not
補助プリント「am / is / are の否定文」より。ヒントも「be動詞」という言葉に頼らず、具体的な形で書いています

「なんで not はそこに置くの?」に、どう答えるか

こう聞かれたとき、多くの方は「そういうものだから」と答えることになると思います。それでも困らないのですが、大人が自分の中で一度納得しておくと、教えるときの落ち着き方が変わるので、短く説明します。

よく使われるのは、次の説明です。英語の not は、すぐ後ろに続くことばを打ち消すことばです。"I am happy." で打ち消したいのは happy(うれしい)なので、not は happy の直前に入ります。それが、結果として「am の後ろ」という位置です。

I am not happy. ——「私は、happy ではない、です」。こう区切って見ると、not がそこにいる理由が見えてきます。逆に "I not am happy." だと、打ち消したいはずの happy から not が離れてしまっています。

ただし、この説明をそのままお子さまに渡す必要はありません。いま止まっているのは、たいてい理屈の手前(①〜③)です。説明を増やすほど、覚えることも増えてしまいます。お子さまに伝えるのは「not は am・is・are のすぐ後ろ」だけに、あえて留めるのがおすすめです。理屈は、形に慣れたあとから追いつきます。

家でできる、止まっている場所の見つけ方

どこで止まっているかは、ご家庭でも見つけられます。ポイントは、単語を変えずに主語だけ変えることです。happy だけを使ってみてください。

まず、次の空欄に am・is・are のどれが入るか、口頭かメモで聞いてみます。

  • I ___ happy. / He ___ happy. / You ___ happy.

これができていたら、次はこちらを二択で聞いてみてください。書かせる必要はありません。

  • 「私はうれしくありません」は、I am not happy. と I not am happy. のどっち?

最初の穴埋めで止まるなら、否定文の前、am・is・are の選び方の段階。穴埋めはできて二択で迷うなら、not の位置だけの段階——というように、手が止まる場所から中身が見えてきます。

ひとつだけお願いしたいのは、これは「できないことを確認する時間」ではなく、「どこまでできているかを見つける時間」だということです。間違えたときに「なんでわからないの」という空気を出さず、「ここまではできてるね」と声をかけるくらいのほうが、お子さまも安心して考え続けられると思います。

見つかったら、戻る場所は近い

「否定文ができない」は、英語がぜんぶ分かっていない、ということではありません。戻るのは、肯定文で am・is・are を選ぶところまでの、一歩だけです。

これは「できていない」のではなく、「まだ整理されていないだけ」だと私は考えています。

ひとつだけ付け加えると、ここは説明のうまさで乗り越える場所ではありません。私が担当した生徒も、その場で説明すると分かったように見えるのに、次に同じ形を見るとまた崩れる、を繰り返していました。必要だったのは上手な説明ではなく、解き直せる問題の数でした。

そのために作ったのが、途中で抜粋をお見せした補助プリントです。対応表を最初に置き、○をつける二択から始めて、正しい形を選ぶ → not を入れる → 間違い直し → 並び替え → 自分で書く、の順に階段状に進みます。間違えても表に戻ればすぐ確認できるので、保護者の方が説明を用意しなくても、お子さまと一緒になぞっていけます。

補助プリント「am / is / are の否定文」を見る(PDF)

ほかのプリントは補助プリント一覧にまとめています。ご自由にお使いください。

まとめ

「否定文ができない」は、入口の言葉です。その中身は、①主語に合わせた am・is・are の選び方、②not の置き場所、③「be動詞」という説明のことばが届いていない、のどれかで止まっていることが多いです。

not の位置の理屈は、大人が納得しておくためのもので、お子さまには「not は am・is・are のすぐ後ろ」に留めて、表を見ながら形に慣れていけば十分です。

私は大阪市で、中学生向けの家庭教師をしています。どこから整理すればいいか一緒に見ますので、体験授業からお気軽にご相談ください。

よくある質問

Q. am・is・are の否定文ができない子には、まず何を確認すればいいですか?

否定文の前に、肯定文で主語に合わせて am・is・are を選べるかを確認してください。happy だけを使って「I ___ happy. / He ___ happy. / You ___ happy.」と主語だけ変えて聞くと、否定文以前の段階で止まっていないかが見えます。

Q. 「なんで not はそこに置くの?」と聞かれて答えられません。

英語の not は、すぐ後ろに続くことばを打ち消します。I am happy. で打ち消したいのは happy なので、not は happy の直前——結果として am のすぐ後ろに入ります。ただ、この理屈をお子さまに渡す必要はなく、伝えるのは「not は am・is・are のすぐ後ろ」だけで十分です。理屈は、形に慣れたあとから追いつきます。

Q. be動詞の否定文の無料プリントはありますか?

青灯舎の補助プリント「am / is / are の否定文」を無料・登録不要で公開しています。主語→be動詞→否定の形の対応表つきです。ほかのプリントは補助プリント一覧にまとまっています。